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2026年01月29日

腹膜透析はいつまでできる?血液透析へ移行するケースと準備のポイント

腹膜透析を続ける中で、「この治療はいつまでできるのだろう」「将来は血液透析になるのだろうか」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。腹膜透析は自宅で行える治療として生活の自由度が高い一方、長期的な継続には限界がある治療とされています。

この記事では、腹膜透析から血液透析へ移行する理由や移行後の生活の変化、そして心構えや準備のポイントについて解説します。

透析に対して前向き

腹膜透析から血液透析へ移行ってどういうこと?

腹膜透析から血液透析へ移行するとは、腹膜を使った透析の継続が難しくなったり、医学的にリスクが高まったりした場合に、治療方法を血液透析へ切り替えることを指します。

長期間の透析による腹膜機能の低下

移行の大きな理由として挙げられるのが、長期間の使用による腹膜機能の低下です。腹膜透析は、お腹の中にある腹膜を通して老廃物や余分な水分を排出する治療法ですが、長く続けるうちに、フィルターとしての働きを保てなくなってくることがあります。

具体的には、除水がうまくいかなくなったり、老廃物が十分に除去できなくなったりする状態です。透析を行っても体調の改善を感じにくくなってしまいます。

合併症の予防

重篤な合併症である被嚢性腹膜硬化症(EPS)の予防を行うことも重要です。EPSは、腹膜が硬くなり、腸が癒着することで腸閉塞などを引き起こす病気です。

腹膜透析の期間が長くなるほどEPSの発症リスクが高まることが示されています。透析期間が8年を超える頃からリスクが上昇するため、限界を迎える前に計画的な移行が検討されます。

血液透析になると生活はどう変わる?

透析生活

血液透析に移行すると、腹膜透析のときには月に数回程度の受診が、透析施設に週に3回程度受診し、1回4時間以上の透析治療が必要になります。通院の頻度やベッドの上で透析治療を受ける時間が増え、自宅で透析治療を行える腹膜透析と比べると、家事や仕事とのバランスの調整が必要です。

一方で、透析中の管理を医療スタッフに任せられるため、自分で処置や資材管理をしなくてもよいというメリットもあります。厳密な合併症予防のための管理ができ、体調をコントロールしやすくなり、結果として生活の質(QOL)の維持や予後の改善につながる場合もあります。

移行は珍しいことではありません

腹膜透析から血液透析への移行は、決して珍しいことではありません。多くの腹膜透析患者さんが血液透析への移行を経験しており、あらかじめ想定されている治療経過のひとつです。血液透析への移行のほかに、腎移植という選択肢が検討される場合もあります。

血液透析

血液透析は「バスキュラーアクセス」の作製が必要

血液透析では、血液を体外に取り出すための「バスキュラーアクセス」と呼ばれる血管の作製が必要です。ご自身の血管を用いて作る場合や、人工血管を使用する場合など、いくつかの方法があります。

作製には手術が必要となりますが、入院の有無や期間は医療機関によって異なります。血液透析の導入に備えて、余裕をもって作製されることが多いため、シャント手術の時期や入院の有無、入院期間などを事前に確認しておくと、いざというときの安心材料になるでしょう。

透析施設の確認

血液透析では、週3回程度の通院が必要になります。通院する透析施設によって、透析の時間帯や1回あたりの透析時間、施設の環境などは異なります。自宅や職場からのアクセスも含めて確認し、血液透析へ移行したあとの生活を具体的にイメージできる情報を得ておくことが重要です。

まとめ

腹膜透析は生活の自由度が高い治療ですが、体の状態や腹膜の変化により、血液透析へ移行するタイミングが訪れることがあります。あらかじめ血液透析について知り、生活の変化や準備のポイントを理解しておくことで、不安を軽減できるでしょう。治療方法について悩んだときは一人で抱え込まず、主治医や医療スタッフと相談しながら、自分に合った選択を考えていくことが大切です。


・日本透析医学会2019年版 腹膜透析ガイドライン

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