透析患者はMRI検査を受けられる?注意点をわかりやすく解説
MRI(Magnetic Resonance Imaging)は、強い磁場と電波を利用して体内の状態を詳しく調べる画像検査です。脳や脊椎、関節、血管などの診断に広く用いられています。
透析患者さんの中には「シャントがあるのにMRI検査は受けられるのか」「造影剤は使えるのか」と不安を感じる方も少なくないでしょう。
透析患者さんは多くの場合、MRI検査を受けることが可能です。ただし、造影剤の使用や検査のタイミングなど、いくつかの注意点があります。
この記事では、透析患者さんがMRI検査を受ける際の注意点や造影MRIとの関係についてわかりやすく解説します。
透析患者でもMRI検査は受けられるのか
透析患者でも、基本的にMRI検査は受けることが可能です。MRIは磁場と電波を利用して画像を作る検査であり、X線のような放射線を使用しないため、腎機能に直接影響を与えるものではありません。
ただし、MRIは強い磁場を利用する検査であるため、体内に金属製の医療機器がある場合には受けられない場合があります。磁場の影響によって医療機器の移動や発熱、機器の故障などが生じる可能性があるため、検査前には、体内に植込み型医療機器などがないか確認が行われます。
透析患者さんの場合、腕に内シャントが作られていることが多いですが、通常の内シャントがMRI検査の妨げになることはほとんどありません。
透析患者がMRI検査で注意すべきポイント
透析患者さんがMRI検査で注意すべきポイントをお伝えします。
シャントへの配慮
透析患者さんでは腕に内シャントが作られていることが多いため、検査中にシャントのある腕を圧迫しないよう配慮が必要です。また、検査で点滴などが必要になっても、シャントのある腕は使用せず、反対側の腕での実施が必要です。
体内金属や医療機器の確認
魚介類は良質なタンパク源ですが、生魚にはカリウムが多く含まれています。例えば、人気のマグロ(赤身)に含まれるカリウムは100gあたり約400~450mg、ハマチは約390mgです。
MRIは強い磁場を利用する検査のため、体内に金属製の医療機器がある場合には注意が必要です。磁場の影響により医療機器の移動や発熱、故障などが生じる可能性があるため、検査前にはペースメーカーや血管ステントなどの医療機器が体内にないか確認が行われます。
造影剤を使うMRI検査でも受けられる?
透析患者さんで注意が必要なのが、造影剤を使用するMRI検査です。MRIでは病変をより詳しく調べるためにガドリニウム造影剤が使用されることがありますが、腎機能が低下している患者さんでは、腎性全身性線維症(NSF)との関連が指摘されています。腎性全身性線維症(NSF)は、皮膚の腫れや痛み、硬くなる症状がみられ、上下肢の関節が動きにくくなり、死亡に至ることもある病気です。
腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドラインによると、長期に透析を行っている終末期腎障害、eGFRが30mL/min/1.73m²未満の場合には、ガドリニウム造影剤の使用は可能な限り避け、非造影MRIなど代替案を検討することが推奨されています。
他の検査法による代替が困難な場合に限り、臨床上の有益性とリスクを比較したうえで、厳重な注意のもと、検査を行うかどうかが慎重に判断されます。透析患者さんがMRI検査を受ける際には、透析治療を受けていることを事前に医師や検査担当者に伝え、検査方法や注意点について説明を受けることが大切です。
・NSFとガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会(日本医学放射線学会・日本腎臓学会)腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン(第3版)
まとめ
透析患者さんでも、MRI検査は基本的に受けることが可能です。ただし、いくつか注意点があります。シャントのある腕を圧迫しないよう配慮することや、体内に金属製の医療機器がないか事前に確認することが重要です。また、造影剤を使用するMRI検査の場合は可能な限り避け、行う場合は慎重な判断と実施が必要とされています。
MRI検査を受ける際には、透析治療を受けていることを医師や検査担当者に伝え、検査方法や注意点について説明を受けましょう。
※コラムに関する個別のご質問には応じておりません。また、当院以外の施設の紹介もできかねます。恐れ入りますが、ご了承ください。
※当ブログの記載内容によって被った損害・損失については一切の責任を負いかねます。ご了承ください。










