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2022年12月01日

通院困難な透析患者はどうすればいいの?

透析患者はさまざまな理由で通院困難となる場合があります。通院が難しくなるのはどういった理由が考えられるか、また、通院困難となったときの選択肢について、具体的な方法を確認していきましょう。

透析治療と通院について

一般的には、透析治療は週3日、1回4時間程度の通院です。頻回透析では、週3日以上の場合もあります。

医療機関で血液透析治療を受ける場合、費用は1回あたり約3万円とされ、1か月で約40万円必要です。非常に高額な医療費ですが、特定疾病(長期高額疾病)療養受療制度を利用すると、自己負担額は1か月1万円が上限となります。

ただし、所得が一定以上ある人は1か月の自己負担額は2万円となります。(外来・入院・薬局等、それぞれで負担が必要で、入院時の食事などは自己負担です。)

他にも条件を満たせば、自立支援医療(更生・育成医療)や重度心身障害者医療費助成制度などの助成制度を利用できます。

・全腎協 透析治療にかかる費用

助成金

通院困難になる原因

透析患者の平均年齢は年々上昇傾向にあり、2020年現在、約6割が65歳以上です。高齢の患者は、加齢や透析治療の導入による運動量・活動量の低下、食欲不振などでサルコペニアやフレイルに陥り、介護が必要となるリスクが高い状態です。

長期で透析を受けている患者は動脈硬化や心不全などの合併症がある場合も多く、脳卒中などを患うと後遺症が残って寝たきりとなるリスクもあります。

介護が必要な状態や寝たきりは通院に支障きたします。透析患者の送迎を行う家族が病気や障がいを持つ状況になっても通院困難となります。本人の仕事が忙しく通院が困難なケースもあります。

・わが国の慢性透析療法の現況(2020 年 12 月 31 日現在)

介護

通院困難な透析患者の選択肢

通院困難な場合に透析治療を受ける選択肢として、送迎の利用、タクシーなどの利用、在宅透析があります。

送迎の利用

透析クリニックによっては無料で送迎サービスを行っているところもあります。送迎場所や送迎車の種類、送迎対象の地域、車いす対応の可否などはクリニックによって異なります。通院する透析クリニックの送迎サービスが、希望の条件に対応しているかどうかの確認が必要です。

  • 送迎場所:自宅の前まで送迎に来てくれる場合や集合場所を設けている場合などがあります。
  • 送迎車のタイプ:自家用車タイプやマイクロバスタイプなどがあります。
  • 送迎対象の地域:クリニックに近い地域に限定されている場合などがあるため、確認が必要です。
  • 車いす対応の可否:車いすのまま送迎車に乗って通院が可能な場合もあります。
  • 送迎時の介助:基本的には送迎時の介助がない場合が多いですが、介助を行っているクリニックもあります。クリニックの送迎車の介助がない場合は、自宅から送迎車までの移動と送迎車の乗り降りの介助にヘルパーなどを利用しているケースもあります。

タクシーなどの利用

タクシーや介護タクシーを利用して通院する方法もあります。乗用車への乗降が可能な場合は一般のタクシーを利用できますが、介助が必要な場合は介護タクシーとなります。

身体障がい者手帳を持っている透析患者はタクシー料金が1割引となります。お住いの地域によっては、福祉タクシー利用券による助成を行っている市長区村もあります

在宅透析

透析患者や透析患者の家族の条件が整っていれば、在宅透析という選択肢もあります。医療機関のように整った環境ではなく、在宅の環境で透析治療を行うため、透析患者自体の状態が安定していることや介助者がいること、自己穿刺ができることなどの条件を満たしていることが必要です。

・全腎協 身体障害者が利用できる主な福祉制度
・MediPress透析 在宅血液透析の実施条件

送迎

まとめ

透析患者は加齢や病気、障がいなどで寝たきりや要介護の状態となり、通院困難となる場合があります。透析クリニックが行っている送迎サービスの利用や福祉タクシーなどの利用、在宅透析などの選択肢がありますが、選択する際には、透析患者と家族の希望に応じているか、条件を満たしているかを主治医やサービス提供先とよく相談して決めましょう。

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