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2019年02月08日

380人に1人!?家族が透析患者になったら考えたい4つのコト

2017年現在、日本国内には約33万人の透析患者がいます。つまり、380人に1人は透析治療を受けているということ。親戚や知人が透析治療を受けている、という人も多いのではないでしょうか?

もし、家族の誰かが透析治療を受けるようになったら、どうしたらいいのでしょうか。今回は、透析患者の家族に知っておいてほしいこと、家族として心がけたいことをご紹介します。

     

1.まずは透析治療のことを理解しよう

「人工透析」という言葉は知っていても、どんな治療なのか詳しくは知らないという方がほとんどだと思います。家族が透析を受けることになったら、まずは正しい知識を身につけることから始めましょう。

一般的に透析患者は週3回、透析クリニックや病院に通院して透析治療を受けます。それだけではなく、日常生活においても注意しなければならないことがたくさんあります。

場合によっては家族がフォローしなければならないことも。そういう時、事前に知識があったほうがスムーズにいくことも多いはずです。

できれば透析患者に同行して、かかりつけ医師からの説明を受けておいたほうがいいでしょう。

また、医師から短時間の説明を受けただけは、すべてを理解することは難しいと思います。患者向けに書かれた本などを購入して、目を通しておくのもいいでしょう。

     

家族が透析患者になったとき

2.家庭内の雰囲気・気持ちのフォロー

腎臓は機能が一度衰えてしまうと回復が難しい臓器です。そのため、ほぼすべての透析患者は一生、人工透析治療を受け続けなければいけません。また、命に関わる合併症などのリスクも増えてしまいます。

そう考えると、透析患者の精神的ストレスが非常に大きいことが分かるでしょう。実際に、透析治療の開始をきっかけに「うつ状態」に陥る患者も少なくありません。精神的な落ち込みから、治療の効果が思うように上がらなくなることもあります。

そういったストレスを少しでも和らげるためには、家族のフォローが不可欠です。患者自身が透析治療に前向きに取り組めるよう、家族も透析としっかり向き合う姿勢が大切です。

家族の精神的なフォローのために

透析治療を受けている最中は、患者は自由に動き回ることができません。そのため必然的に、透析治療について考える時間も多くなるもの。帰宅してからも透析治療の話ばかりになると、気分が落ち込んでしまいます。

患者の話を聞くことも大切ですが、ときには別の話題をふるなどして家庭内の雰囲気が暗くならないような気づかいを忘れないでください。

気軽にできる新しい趣味を薦めてみるのもいいでしょう。患者が疲れないよう注意する必要はありますが、家族そろっての外出も気分転換にはお薦めです。

家族ができるサポート

     

3.家族のサポートで生活が変わる

透析治療を受けるようになると、一番問題となるのが食事です。透析患者は体内の老廃物がうまく排出できなくなるため、なるべく老廃物が出ない食事を心がけなければいけません。

たとえば果物や生野菜を摂取しすぎると、血中カリウム濃度が上昇して不整脈や心停止の危険があります。水分や塩分についても摂取できる量に制限があります。

家族ができるサポートとしては、透析患者の食事制限に合った料理を作ることですが、ただ塩分や水分を減らしただけでは、味気ない食事になってしまいます。

病院では栄養士による食事指導を行っているので、患者と一緒に受けてみるのもいいでしょう。透析患者向けのレシピ本なども出ているので、参考にしてみてください。

また、家族の中で透析患者だけが別のメニューを食べるという状態は、精神的なストレスにつながることも。料理するほうにしても、通常食と透析食の2種類を作るのは大変です。

栄養バランスを考えた薄味の食事は、健康な人にとっても好ましいものです。家族全員が同じ料理を食べられるよう工夫してみてはいかがでしょうか。

もし、透析患者向けの料理を担当するようになっても、毎食必ず制限を守ろうと堅苦しく考えすぎないことが重要です。昼食が少し塩分多めなら夕食で控えるなど、1日分で調整したほうが負担も少なくなります。そういった調整方法を取り入れれば、外食をすることも可能です。

     

家族は様々な手続きもサポートできる

透析治療を受けるようになると、身体障害者手帳が取得できます。そのためには役所に出向いたり書類をそろえたりと、面倒な手続きが必要です。そういった部分でも、家族がサポートできることはたくさんあります。

他にも年金や地域によっては治療のための補助金があります。どんな手続きをすればどういった補助が受けられるのか、調べてみるのもいいでしょう。病院にいるソーシャルワーカーに相談してみるとアドバイスがもらえるはずです。

通院の際の送り迎えだけでも、患者の負担を減らすことができます。

一方、患者を全面的にフォローしようとすると、反対に家族のほうが疲れ切ってしまいます。家族でよく話し合って、誰がどういったサポートができるのかを考えてみましょう。患者本人の希望を聞いた上で、新しい日常生活のパターンを家族で作っていくことが大切です。

     

4.全国に仲間がいる、患者会って?

透析患者を含む腎臓病の患者をサポートする組織があります。それが腎友会(じんゆうかい)で、全国に3,000もの団体が作られています。のべ会員数は約10万人で、患者のよりよい生活のための活動を続けています。

会員になると、腎臓病患者に役立つ医療・福祉情報が掲載された会報が定期的に届きます。日常生活での悩みや不安に答える電話相談も行っています。また、栄養士による腎臓病食の講習会や、患者同士の交流を目的とした旅行やレクリエーションなどのイベントも開催されています。

腎友会の目的は、腎臓病患者が安心して治療を受けられる医療制度や福祉制度を作ることです。そのために国や行政への働きかけも行っています。

同じ病気に立ち向かう患者との交流をもつだけで、お互いに励みになることもあるでしょう。少しでも興味があれば、お住まいの地域の腎友会を調べてみてはいかがでしょうか。

     

腎臓からのサイン

まとめ

糖尿病から人工透析になった場合、糖尿病の治療とはまた違った負担が出てきます。患者にしろ家族にしろ、その負担は決して小さなものではありません。

ただ、患者と家族が協力し合うことで、日常生活でのそれぞれの負担は軽くできるはずです。最初からは難しくても、透析治療のある生活に少しずつ慣れていけばいいのです。

患者や家族の負担が大きすぎるなら、介護保険サービスやボランティアに頼ることも考えましょう。誰かに頼るのは、決して恥ずかしいことではありません。困ったことがあったら、かかりつけ医師や看護師やソーシャルワーカーに相談してみてください。

     

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