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2019年11月15日

要注意!透析患者さんが気をつけたいインフルエンザの予防と対策

透析患者さんがインフルエンザにかかるとどのようなリスクがあるのか、どうして注意が必要なのかを知り、透析患者さんのインフルエンザの予防対策とインフルエンザへの罹患が疑わしい時の対策について学んでいきましょう。

     

透析患者さんはインフルエンザに要注意

透析患者さんの死亡原因の第2位は感染症となっています。

毎年秋冬に流行し、免疫力や抵抗力の低い人では重症化や肺炎の合併が起こりやすいインフルエンザ。透析患者さんは十分に注意する必要があります。

     

インフルエンザは重症化しやすく肺炎を合併しやすい

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって発症し、日本では12月~3月ごろに季節性インフルエンザが流行します。

悪寒とともに38度以上の高熱が急激に出て、筋肉痛、関節痛、頭痛などの全身症状が強くみられます。のどの痛み、咳、鼻水、くしゃみなどの風邪のような症状もみられます。

インフルエンザに感染して高熱や筋肉痛、関節痛、のどの痛み、咳などの症状が出ても、体力のある方では数日~1週間ほどで症状が治まります。

しかし、免疫力や抵抗力の低い高齢者や小さな子ども、持病のある方がインフルエンザにかかると重症化したり、身体に存在している肺炎を起こす菌が肺に感染して肺炎を引き起こしたりします。

インフルエンザと肺炎を合併すると、命に関わる状態となることもあり、注意が必要です。

     

透析患者さんはインフルエンザにかかりやすい

肺炎はわが国の死亡原因の上位であり、平成28年は3位、平成29年は5位となっています。高齢者や、腎臓・心臓・肺などに持病がある方、糖尿病の方は、免疫力や体力、抵抗力の低下、栄養状態の不良などがあり、インフルエンザにかかると重症化や肺炎を合併しやすい傾向にあります。

透析患者さんは腎臓に持病があることに加えて、高齢である場合や糖尿病を合併している場合が多くあります。健常の方に比べてインフルエンザにかかりやすく、重症化しやすいと言えるため、透析患者さんは特に注意が必要です。

     

参考記事:第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別 死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

透析治療とインフルエンザ

インフルエンザの予防対策

透析患者さんは、まずはインフルエンザにかからないように予防することが大切です。

     

インフルエンザにかからないための予防対策

インフルエンザは、まずはかからないように予防することが大切です。透析患者さんは、どうしても透析治療を受けるために週に数日は最低限外出しなければなりません。

また、多くの透析患者さんと同室で長時間過ごすこととなり、感染しやすい環境におかれる機会が多くなります。そのため、インフルエンザにかからないための基本的な予防対策を心がけましょう。

  • ・外出し、帰宅したら手洗い・うがいを行う
  • ・感染症が流行っている時期、場所では人込みへの外出は控える
  • ・外出時はマスクをする
  • ・食事指導に沿った内容で栄養素をまんべんなく摂る
  • ・十分に睡眠をとって体調を整える
  • ・十分な透析治療を受ける
  • ・主治医と相談のうえ、可能であればインフルエンザワクチンを接種する
     

参考記事:うみ 人工透析Q&A

透析治療とインフルエンザ予防対策

インフルエンザかも?と思ったときは

もし、インフルエンザにかかってしまったら、早めの診断を受けて治療を開始するとともに、周りへの感染を防がなければなりません。透析室ではたくさんの患者さんが同じ部屋で透析治療を受けていますので、ほかの透析患者さんへの配慮も必要となります。

「インフルエンザかも?」と思ったらかかりつけの透析施設に早めに知らせ、感染拡大予防のための対策をとりましょう。

インフルエンザの感染を防ぐために

  • ・38度以上の高熱が急に出る、関節痛や筋肉痛、のどの痛みがある、まわりにインフルエンザに感染している人がいるなど、インフルエンザが疑わしい症状がみられたら、かかりつけの透析施設に連絡し、指示を仰ぐ
  • ・インフルエンザが疑わしい症状が出たときの対応を透析施設が休診の場合の対応も含めて、事前に主治医と相談しておくことが望ましい
  • ・透析治療を受ける前に診察を受ける、診察時はマスクを着用する
  • ・透析治療はインフルエンザに感染していても受けなければならないので、かかりつけの透析施設から指示があった方法(別室対応、透析時間帯をずらす、パーテーションで周囲と遮るなど)で透析治療を継続する
  • ・インフルエンザと診断され、タミフルを服用する場合は、健康な人の服用方法と違って最初に1錠服用するだけでよい。服用方法をよく確認する

参考記事:北海道保健福祉部保健医療局健康安全室 透析患者の皆様へ

透析治療とインフルエンザ治療

まとめ

ほぼ毎年、インフルエンザの流行はやってきます。透析患者さんがインフルエンザにかかってしまうと、重症化のリスクや肺炎を合併するリスクが高くなるので、日頃からインフルエンザをはじめとする感染症の予防対策をとっておくことが大切です。

予防の基本は、帰宅時の手洗い、うがい、外出時のマスク着用、人ごみへの外出を控える、十分な栄養と睡眠をとって体調を整えておくことです。万が一、インフルエンザと思われる症状が出たら、すぐにかかりつけの透析施設へ連絡し、診察と透析治療の対応について確認しましょう。

     

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