透析を始める前に知っておきたかった5つのこと
透析と聞くと「生活が制限される」「仕事が続けられない」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。透析を始めると、確かに通院や食事管理は必要です。しかし、仕事や趣味、家事が一切できなくなるわけではありません。環境設定や工夫により、仕事や趣味、外食を楽しんでいる方もいます。
今回は、これから透析を始める方や、そのご家族に向けて、透析を始める前に知っておきたかったと感じやすい5つのポイントを紹介します。
1.透析=すぐに生活が制限されるわけではない
透析を始めると「毎日の生活が大きく制限されてしまうのでは」と不安を感じる方も多いかもしれません。
当然、通院や食事管理は必要ですが、これまでの生活をすべて諦めなければならないわけではありません。事前の情報収集と環境調整、工夫によって、仕事や趣味など自分らしい生活を維持している方もいらっしゃいます。
2.食事・水分制限は「ゼロか100か」ではなかった
食事制限と聞くと「好きなものが食べられない」「外食もできない」と思われがちですが、工夫次第で楽しむことも可能です。
透析治療が必要な方は塩分・カリウム・リン、水分などの制限が必要になりますが、医師や栄養士のアドバイスを受けながら、1日全体で食事を調整することで外食や好きなものを楽しむことも可能です。
3.透析中の時間は「苦痛」ではなかった
透析中はシャントに血液回路が繋がれた状態で、長時間ベッドで横になって過ごすため「苦痛に感じそう」「何時間もじっとしているなんて辛そう」と想像する方もいらっしゃるでしょう。
透析治療中はベッド上で本を読む、テレビや動画を見る、タブレットやパソコンを使用する、スタッフと会話するなどして過ごせます。フットケアやリハビリが実施されている施設やパソコンなどでの作業が行いやすいようにチェアタイプのベッドが設置されている施設もあります。事前に透析室の環境もチェックしておくと、透析中の時間も有意義に過ごしやすくなるでしょう。
4.仕事や家事との両立は「できる形」が見つかる
透析を始める際には、これまでの仕事や家事を続けられないのではないかと不安になるかもしれません。しかし、夜間透析・在宅透析の利用や家事の工夫、職場の環境調整などにより、透析と家事、仕事を両立している方も多くいらっしゃいます。
家族や職場と相談しながら両立しやすい形を整えることで、自分に合った生活スタイルを見つけやすくなります。
5.「もっと早く相談しておけば…」と後悔したこと
医師から「透析を検討する時期かもしれません」と言われても、「まだ大丈夫」「最後の手段」と考えて先延ばしにする方もいます。
しかし、早めに透析治療について相談することで体調を維持しながら納得のいく生活を送りやすくなります。
透析を始めるための相談は負けではなく、今の体調や生活をできる限り長く続けていくためのスタート地点です。医師から透析の話が出た際には、生活の見通しを立てる準備として、透析施設の見学や具体的なスケジュールの相談を進めておくとよいでしょう。
まとめ
透析を始めるという選択は、大きな決断であると同時に、新しい生活を築くスタートでもあります。始める前に正しい情報を得ておくことで、不安がやわらぎ、自分に合った生活の形を考えやすくなります。透析を始める前に知っておきたかった5つのことを通じて、前向きに透析を始める準備に取り組むきっかけとなると幸いです。
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