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2026年02月26日

腎機能は回復する?しない?知っておきたい現実と希望

下がってしまった腎機能は、もう二度と戻らないのでしょうか?健康診断や病院で検査結果を見たとき、不安を感じる方は少なくないでしょう。

一般的に、慢性腎臓病(CKD)は進行性の病気であり、一度悪くなってしまった機能を完全に元の状態へ戻すことは難しいのが現状です。しかし、すべての腎機能障害が必ずしも悪化の一途をたどるわけではありません。原因や状態によっては、適切な治療で機能が持ち直すケースも存在します。

この記事では、腎機能が回復する場合と回復が難しい場合の違いや、腎臓と長く付き合っていくために大切な考え方について解説します。

腎臓

腎機能は回復することもある?それとも戻らない?

慢性的にゆっくり機能が低下した場合は回復が困難ですが、急激に悪化した場合には治療によって改善する可能性が残されています。

「慢性腎臓病」の現実は厳しい

慢性腎臓病(CKD)や糖尿病性腎症といった病気は、数年から数十年という長い時間をかけて進行します。慢性腎臓病では、長年かけて腎臓の組織が少しずつ障害され、硬く線維化していきます。現時点で、元の状態に戻す治療法はありません。

そのため、慢性的な経過で失われた腎機能については、現状をいかに維持するかが治療の目標となります。

「急性」の要素があれば回復のチャンスがある

一方で、慢性的な経過とは異なり、数時間から数日の単位で急激に腎臓の働きが低下するケースがあります。これは急性腎障害(AKI:Acute Kidney Injury)と呼ばれ、脱水や感染症、薬剤の副作用、急激な血圧変動などが主な原因です。

急性の腎機能の悪化に関しては、早期に原因を取り除くことで、低下した機能が回復する場合があり、慢性腎不全の急激な悪化(急性増悪)では、透析が不要になる例があることも報告されています。実際に、日本国内や米国の調査データによると、一度透析を開始した患者さんのうち、約4%が腎機能の回復によって透析を中止できていると言われています。

・日本透析医学会 維持血液透析ガイドライン:血液透析導入

人工透析

腎機能を少しでも守るためにできること

慢性的な腎機能低下では、今以上に悪化させないことが大切です。日々の生活で意識すべきポイントを見ていきましょう。

急激な腎機能の悪化を予防する

腎機能が大きく低下するきっかけの多くは、急性のトラブルです。以下の対策は腎臓を守ることにつながります。

  • 脱水を避ける:水分不足は腎臓への血流を減少させ、ダメージを与えます。主治医から指示された水分摂取量の範囲内で、こまめな水分補給を心がけましょう。
  • 感染症を予防する:風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると、炎症や発熱によって腎臓に負担がかかります。手洗い、うがいなどの予防に努め、体調不良時は早めに受診しましょう。
  • 薬は適切に使用する:市販の痛み止めを自己判断で漫然と使い続けると、腎機能悪化の原因となることがあります。必ず医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。

残っている腎機能を大切に使う

たとえ透析が必要な段階になったとしても、残っている腎臓の機能は存在します。これを残腎機能と呼びます。残腎機能が保たれていると、生活の質(QOL)を維持しやすくなります。もう良くならないからと諦めるのではなく、残された機能を大切に使うことが寿命にも影響します。

・日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023

回復をゴールにしないという考え方

腎機能を元に戻したいという思いで、自己流で極端な食事制限を行うことは危険です。必要なエネルギーまで不足してしまい、筋肉や体力が落ちて低栄養状態を招く恐れがあります。

大切なのは、検査の数値を良くすることではなく、今の状態を保ちながら生活を続けていく視点を持つことです。定期的に通院し、医師や管理栄養士の指導のもとで、適切な生活習慣を続けていきましょう。

・日本透析医学会 維持血液透析ガイドライン:血液透析導入

QOL(生活の質)

まとめ

慢性の腎機能低下を完全に元の状態へ戻すことは難しいのが現実です。ただし、急な悪化が原因の場合には、適切な治療によって腎機能が持ち直す可能性もあります。実際に、透析開始後に回復し、透析を中止できた方が一定数いることも事実です。

腎臓病と向き合う上で大切なのは、これ以上悪くしないことに目を向けることです。急な悪化を予防し、安定した状態で日常生活を送れるよう、治療と腎臓に負担をかけない生活を送っていきましょう。

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