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2026年10月29日

ダイアライザーとは?人工透析で使われる仕組みや役割をわかりやすく解説

血液透析を受けていると、「ダイアライザー」という言葉を耳にする機会があるでしょう。「ダイアライザーってどのような役割をしているの?」「透析装置とは何が違うの?」「ダイアライザーの中で血液はどうやってきれいになるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

ダイアライザーとは、血液透析で血液中の老廃物や余分な水分を取り除くために使われる医療機器です。「人工腎臓」と呼ばれることもあり、腎臓の働きの一部を補う役割があります。

この記事では、ダイアライザーの役割や血液をきれいにする仕組み、種類によってどのような違いがあるのかを解説します。

ダイアライザーとは?人工透析でどんな役割をする?

ダイアライザー

ダイアライザーとは、血液透析で血液を浄化するために使われる医療機器です。血液透析は、半透膜の一方に血液を流し、もう一方に透析液を流すことで、主に拡散によって血液中の物質を除去する治療を指します。ダイアライザーは、このとき血液と透析液の間を隔てる透析膜を備えた機器です。

現在使われているダイアライザーの多くは、中空糸型と呼ばれる構造をしています。筒状の容器の中に、ストロー状の細い繊維が多数束ねられた構造です。血液がこの中空糸の内側を通り、外側を透析液が流れる仕組みになっています。中空糸の壁には、目に見えない無数の微細な孔(あな)が開いています。この膜を介して、老廃物は主に拡散によって、余分な水分は主に限外濾過によって、血液側から透析液側へ移動する仕組みです。

なお、ダイアライザー単体で血液を体外へ送り出しているわけではありません。実際の治療では、血液を循環させるポンプや透析液を管理する透析装置、血液回路などと組み合わせて使用します。ダイアライザーは、そのなかで血液から不要な物質や余分な水分を取り除く部分を担っています。

・(薬生発0831第8号)(各都道府県知事あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

ダイアライザーで血液がきれいになる仕組み

ダイアライザーでは、透析膜を利用して血液中の老廃物や余分な水分を取り除きます。血液透析で重要になる仕組みが「拡散」と「限外濾過」です。

ダイアライザーの仕組み

拡散によって老廃物を取り除く

拡散とは、物質が濃度の高い方から低い方へ移動する現象です。ダイアライザーでは透析膜を挟んで血液と透析液が流れており、血液中に多く含まれる尿素などの物質が、濃度の低い透析液側へ移動します。

血液透析では、この拡散を主に利用して血液中の不要な物質を取り除きます。

限外濾過によって余分な水分を取り除く

血液透析において、体内にたまった余分な水分を取り除く役割が「除水」です。ダイアライザーの透析膜の両側に圧力差をつくり、水分を血液側から透析液側へ移動させることで、余分な水分を取り除きます。この仕組みが限外濾過です。

どの程度水分を取り除くかは、透析前後の体重や体の状態などをもとに設定されます。ダイアライザーは老廃物を除去するだけでなく、透析による水分調整にも関わっています。

・厚生労働省 血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準の改正について(その4)(令和4年11月2日)(薬生発1102第7号)(各都道府県知事あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

ダイアライザーの種類によって透析はどう変わる?

ダイアライザーには複数の種類があり、すべてが同じ性能ではありません。構造や透析膜の性質、膜面積、どの程度の大きさの物質を除去できるかなどに違いがあります。

取り除きやすい物質の大きさが異なる

血液中の老廃物には、尿素のような小さな物質だけでなく、β2-ミクログロブリンなど、より分子量の大きな物質も存在します。ダイアライザーごとに透析膜の孔(あな)の大きさや性質が異なるため、種類によって除去できる物質の範囲に違いがあります。

日本透析医学会の「血液浄化器(中空糸型)の機能分類2025」では、血液透析器をⅠ型、Ⅱ型、S型に分類し、さらにⅠ型・Ⅱ型を細分しています。分類には、尿素やβ2-ミクログロブリンの除去性能、アルブミンの透過性などが用いられています。

患者の状態や透析条件に合わせて選ばれる

ダイアライザーは、性能が高ければすべての患者に適しているわけではありません。除去したい物質や患者の体格、血液流量、透析時間、血液検査の結果などを踏まえて、医師が透析条件とあわせて選択します。

血液浄化器の種類によって対象となる病態や主な除去物質はさまざまです。そのため、同じ血液透析を受けていても、使用するダイアライザーがほかの患者と異なる場合もあります。

現在使用しているダイアライザーの種類や、なぜその種類が選ばれているのか気になる場合は、主治医や透析施設のスタッフに確認してみるとよいでしょう。

・友 雅司,峰島 三千男,川西 秀樹ほか 血液浄化器(中空糸型)の機能分類 2025 透析会誌 58(8):368~372,2025委員会報告

まとめ

ダイアライザーとは、血液透析で血液中の老廃物や余分な水分を取り除くために使用する医療機器です。透析膜を介した「拡散」によって主に老廃物を除去し、圧力差を利用した「限外濾過」によって余分な水分を取り除きます。

ダイアライザーには複数のタイプが存在し、除去できる物質の大きさや性能は一様ではありません。使用する種類は、患者の状態や透析条件などを踏まえて選択されます。自分が使用しているダイアライザーについて疑問がある場合は、主治医や透析施設のスタッフに確認しましょう。

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