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透析に使用される抗凝固薬の種類と特徴を知ろう

透析に使用される抗凝固薬ですが、ご自分やご家族はどの抗凝固薬を使っているかご存知ですか?

抗凝固薬には、ヘパリン、低分子ヘパリン、アルガトロバン、ナファモスタットメシル酸塩などがあり、作用の過程や半減期、副作用などの特徴によって、個人に合うものが選択されています。

ここでは、抗凝固薬の種類とそれぞれの薬の特徴についてみていきましょう。

     

透析に使用される抗凝固薬とは

血液は、身体の外へ出すと固まる性質を持っています。透析治療は、血液を体外に出して血液中の余分な水分や老廃物を除去するため、抗凝固薬を使用して血液が固まらないようにしています。

抗凝固薬にはいくつか種類があります。抗凝固薬のなかでも最もよく用いられるものが、ヘパリンです。そのほか、患者さんの病態や状態に合わせて抗凝固薬が選択されます。

     

透析治療に使用される抗凝固薬

抗凝固薬1:ヘパリン

ヘパリンは透析治療でよく使用される代表的な抗凝固薬です。

     

ヘパリンの使用適応

ヘパリンは使用方法が簡単で薬の効果が現れるまでの時間が短く、透析治療のみでなく、血栓がある場合の脳梗塞の発症予防などにも広く用いられている薬です。

ただし、ヘパリンは薬の効果が半分となる半減期が1時間程度と長いです。透析治療後に転倒や怪我などで内出血が起こるリスクが高い患者さんでは、半減期の短い抗凝固薬が使用されます。

     

ヘパリン使用時の注意点

アンチトロンビン欠乏や低下の場合はアンチトロンビンの投与が必要

ヘパリンは、血液が固まることを抑える作用のあるアンチトロンビンという血液中のタンパク質のはたらきを活性化させ、血液を固まりにくくする作用を持ちます。

また、血液を固まらせるタンパク質が活性化した「トロンビン」のはたらきも直接的に阻害し、血液を固まらせることを抑制します。

そのため、アンチトロンビン欠乏症の場合やネフローゼなどアンチトロンビンが少ない場合には、アンチトロンビンを投与して使用する必要があります。

     

長期使用によって脂質異常症のリスクがある

ヘパリンには脂肪を分解する作用があります。よって、長期にわたってヘパリンを使用する場合は、脂質異常症から高トリグリセライド血症、低HDL-コレステロール血症の発症リスクがあります。

脂質異常症になると、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の発症リスクも高くなります。

     

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

ヘパリンの重篤な副作用にヘパリン起因性血小板減少症があります。突然、血小板が少なくなって血栓によって血管が詰まり、循環が悪くなって身体の組織にダメージを起こす状態です。

肺の動脈が詰まった場合には、胸痛や呼吸困難といった症状が起こります。また、頭の血管が詰まった場合には意識障害やけいれん、運動・感覚障害などが生じます。

心臓の血管が詰まった場合には胸痛、ショック、不整脈、吐き気などが起こります。そのほか手足の血管が詰まった場合には、手足の腫れや痛み、皮膚の色の変化などがみられます。

突然いつもと違う症状がみられた場合には、ただちに医療機関を受診しましょう。主治医以外を受診する場合には、ヘパリンを透析治療で使用している旨を伝えましょう。

参考文献1:透析を行なっていない患者さんに対してヘパリンナトリウムを使用している理由は?

参考文献2:血液浄化

     

透析治療に使用される抗凝固薬

抗凝固薬2:低分子ヘパリン

低分子ヘパリンは、アンチトロンビンと結びついて作用を活性化させ、血液が固まるのを阻害する作用を持ちます。ただし、トロンビンを直接的に阻害する作用は持ちません。

薬の半減期は2~3時間とヘパリンに比べて長く、ヘパリンよりも少ない量の投与で透析が行えます。血液を固まりにくくする作用は投与後3~5時間でピークとなり、12時間継続します。

     

低分子ヘパリンの使用適応

軽度の出血傾向のある患者さんに低分子ヘパリンが使用されます。そのほか手術後などの出血傾向にある場合にも用いられます。

     

低分子ヘパリンの注意点

ベッドサイドでのモニターが行えない

透析中にベッドサイドで、活性化全血凝固時間 (ACT)のヘパリンのモニタリングを行うことができません。

     

ヘパリンに比べてヘパリン起因性血小板減少症や脂質異常症への影響が少ない

低分子ヘパリンは、ヘパリンに比べてヘパリン起因性血小板減少症(HIT)や脂質異常症の影響が少ないとされています。

     

死亡リスクや合併症の発症リスク

全死亡、心不全死、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血の発症リスクがヘパリンに比べて高いというデータもあります。ただし、これらの合併症がある方が低分子ヘパリンを用いていることが多いという見解もあります。

参考文献1:透析を行なっていない患者さんに対してヘパリンナトリウムを使用している理由は?

参考文献2:重篤副作用疾患別対応マニュアル

     

抗凝固薬の種類

抗凝固薬3:アルガトロバン

アルガトロバンは、ヘパリンや低分子ヘパリンのようにアンチトロンビンと結びつかずに、血液を固まらせる作用のあるトロンビンと選択的に結びつき、トロンビンの作用を阻害して血液を固まらせにくくします。薬の半減期は30分です。

     

アルガトロバンの使用適応

アンチトロンビンと結びつかなくても血液を固まらせにくくする作用を発揮するので、アンチトロンビンの欠乏や低下がある患者さんに用いられます。また、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の患者さんへの保険適応もあります。

     

アルガトロバンの注意点

出血傾向のある患者さんには適さない

半減期が30分と長いため、出血傾向のある患者さんには適しません。

     

抗凝固薬の効果

抗凝固薬4:ナファモスタットメシル酸塩

ナファモスタットメシル酸塩はたんぱく分解酵素阻害薬であり、血液が固まる際に起こる酵素反応の過程を阻害して、血液が固まることを抑制します。

     

ナファモスタットメシル酸塩の使用適応

ナファモスタットメシル酸塩の半減期は短く、5~8分です。そのうえ、分子量が小さいので投与したナファモスタットメシル酸塩の約40%は、透析によって除去されます。

血液を固まらせにくくする効果は体外での血液浄化回路内に限定されるため、手術後の患者さんや消化管出血などの出血傾向のある患者さんに用いられます。

     

ナファモスタットメシル酸塩の注意点

長期投与は難しい

薬価が高く、経済面から長期にわたる投与は難しい薬です。

     

高カリウム血症やアレルギーのリスクがある

高カリウム血症や、まれにアレルギーを起こすリスクがあります。

透析膜によって効果が弱まる

AN69膜など、透析膜の種類によってはナファモスタットメシル酸塩が吸着されてしまい、効果が弱まることがあります。

死亡リスクや合併症の発症リスク

全死亡、心不全死、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血の発症リスクが低分子ヘパリンと同様に、ヘパリンに比べて高いというデータもありますが、合併症がある方がナファモスタットメシル酸塩を用いている割合が高いという見解もあります。

参考文献1:血液製剤について

参考文献2:重篤副作用疾患別対応マニュアル

抗凝固薬の種類と違い

まとめ

透析治療では血液を固まらせにくくする抗血液凝固薬が用いられます。抗血液凝固薬にはいくつかの種類があり、薬の効果が発揮される過程や薬の効果がなくなるまでの時間、適応や注意点などがそれぞれ異なります。

出血傾向のある患者さんや合併症のある患者さんなど、患者さんの病態や状態に合わせて抗凝固薬は選択され、使用されています。

薬によっては重篤な副作用が出るリスクもありますので、いつもと違う症状がみられた場合や、歯の抜歯や怪我・打撲などで内出血や出血がある場合には、医療スタッフにすみやかに伝えるようにしましょう。

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