透析でいうPTAとは?血管狭窄を改善する治療の流れと必要性
人工透析を行うには、腕などに作成するシャントが必要です。しかし、シャントは長く使ううちに血管が狭くなったり、血流が悪くなったりすることがあります。そのようなトラブルに対して行われる治療がPTA(経皮的血管拡張術)です。
この記事では、なぜPTAが必要なのか、具体的な治療の流れ、そしてシャントを長持ちさせるためのポイントについて解説します。
PTA(経皮的血管拡張術)とは?
PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)は、日本語で経皮的血管拡張術と呼ばれます。狭くなった血管をバルーンのついたカテーテルで内側から押し広げる治療法です。近年は経皮的バスキュラーアクセス拡張術(VAIVT)と呼ばれています。
PTAの目的は、シャントの血流を確保し、透析に必要な血液量を維持することです。シャントが狭くなったり詰まったりして血流の低下がみられた場合にPTAが検討されます。
PTAの治療手順と、どんなときに実施されるのか
PTAは「慢性血液透析用バスキュラーアクセス作製および修復に関するガイドライン」において、血管の狭窄と狭窄による機能不全が併発している場合に実施すべきとあります。治療方針の決定には、狭窄率に加え、過去の治療経過や再狭窄のしやすさといった背景要因の検討も必要とされています。
具体的なPTA治療の条件としては、「狭窄率が50%以上」であり、かつ以下の臨床的異常が一つ以上認められる場合です。
- 血流の低下
- 血管にこぶができる
- 静脈圧の上昇
- 透析効率の低下
- 予測できない透析量の低下
- 異常な身体所見
PTAのメリット・リスクと普段のシャント管理で気をつけたい点
PTAは外科手術に比べて体への負担が少ない治療ですが、メリットだけでなくリスクや毎日の注意点についても理解しておくことが大切です。
PTAのメリットとリスク
PTAのメリットは以下の点です。
- 外科的手術を必要とせずにシャントを使い続けられる
- 施設によっては透析後にPTAを行える
PTAのリスクは以下のとおりです。
- 治療する医療機関によっては入院が必要な場合がある
- 再狭窄、血管損傷や血腫が生じるリスクがある
- PTA後の透析は足の付け根などから穿刺する場合がある
- 血管の状態によってPTAが適応とならない場合がある
普段のシャント管理で気をつけたい点
PTAを繰り返さず、シャントを長持ちさせるためには、日々の自己管理が重要です。以下のポイントを習慣にすることが推奨されます。
- 毎日、シャント側の腕を見て、赤み、腫れ、膿などがないかを確認する
- 1日1回は耳を近づけるか聴診器を使い、「ザーザー」という音がしているか確認し、「ヒューヒュー」という高い音や、音が聞こえない場合はすぐに病院へ連絡する
- 血管のスリル(触れたときに感じる振動)があるか、熱を持っていないかを確認する
- シャント側の腕で重い荷物を持たない、腕枕をしない、腕時計やきつい服で締め付けない、血圧測定や採血をしない
- 透析日は湯船につかるのを避ける
まとめ
PTA(経皮的血管拡張術)は、透析治療に必要なシャントを守るための治療手段の一つです。血管が狭くなった際に、外科的手術で作り直すのではなく、カテーテルで広げるため、患者さんにとって負担の少ない方法です。大切なシャントを長く使用するために、毎日シャントの状態を確認することを習慣化し、いつもと違う変化があればすみやかに主治医に報告しましょう。
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