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2026年02月09日

【離島在住者向け】人工透析の通院方法とトラブル時の対処ガイド

人工透析を必要とする患者さんにとって、週に3回以上の通院は欠かせません。しかし、病院が限られている離島地域に住んでいる方にとって、この定期的な通院は、地理的な制約や天候リスクが伴う課題でもあります。透析治療は生命維持には欠かせない治療のため、通院をやめることはできません。

この記事では、離島から透析可能な病院がある島や本土へ通院する際の具体的な移動手段の選択肢について説明します。また、フェリーや航空便を利用する際の注意点、悪天候や交通遮断などの緊急事態に直面した際の適切な対処法と事前の備えについて解説します。

島々

離島で人工透析を受ける際の通院手段と地域ごとの選択肢

離島で透析を受ける患者さんの場合は、島内に透析施設がない、または透析ベッド数に限りがある状況の場合もあり、通院が課題となります。たとえば、東京都の島しょ部では、透析施設を持つ島が大島、八丈島、新島、神津島などに限定されており、その他の島々では島外への通院が必要です。(2011年10月31日時点の情報)

地域ごとの選択肢

島内に透析施設がない場合に、島外の透析施設への通院手段として、以下の選択肢があります。

フェリー

定期船(フェリー・高速船)

多くの離島で一般的な手段ですが、運行時間が長く、天候の影響を受けやすいという欠点があります。

航空便(定期便・ヘリコプター)

遠隔地からの通院や緊急時の搬送手段として利用されます。腹膜透析の合併症など緊急性が高い場合は、ヘリコプターによる大きな病院などへの緊急搬送が必要となることもあります。

・島外への滞在

週3日、1回に4時間以上必要な治療であるため、頻回な通院が難しい場合は、島外の透析施設に残って透析治療を受けられている方もいらっしゃいます。

・腹膜透析

島外への頻繁な通院や移住を避けるため、透析ベッドが限られた離島では、腹膜透析(PD)の活用が一つの解決策として選択される動きもあります。

・衆議院 離島における人工透析に関する質問主意書
・田島真人 島しょ部における血液透析と腹膜透析併用療法の 有効性について

フェリー・航空便利用時に知っておきたい注意点とサポート制度

透析

離島からの定期的な通院を行う上で、注意すべき点と利用できる公的なサポート制度を把握しておくことは大切です。

フェリー・航空便利用時に知っておきたい注意点

フェリーや航空便は天候の影響などを受けやすいので余裕を持った移動や遅延、欠航時の連絡体制を確認しておくことが重要です。

・余裕を持った移動

船や飛行機は遅延や欠航のリスクがあるため、透析の時間に間に合うように移動するためには、余裕を持った移動計画が大切になります。

・緊急連絡体制の確認

透析は通常3日間以上の間隔を空けることができません。そのため、欠航や遅延が予想される場合、すみやかに透析施設と連携を取り、透析時間の調整や別日への振り替えを実施できるよう、連絡体制を整えておくことが重要です。

利用できる公的なサポート制度

障害者手帳の所持や自治体の制度によって、通院にかかる交通費の助成が受けられる場合があります。

身体障害者手帳を取得していると、交通機関、タクシー料金、有料道路通行料金、航空運賃の割引などを受けられます。島しょ部がある自治体では、通院にかかるフェリー代の助成制度を利用できる場合もあるので、お住まいの自治体ホームページや窓口で確認しておきましょう。

・松山市 島しょ部航路運賃助成事業

悪天候や交通遮断などのトラブル発生時に取るべき行動と備え

悪天候

離島在住の透析患者さんにとって、大きなトラブルとなるのは台風や大雪などの悪天候により交通手段がストップしてしまうときです。透析を受けずに3日間以上の間隔が空いてしまう事態は命に関わります。

早期の情報収集と判断

台風接近など悪天候が予想される場合には、透析予定日の前々日から運行情報と天気予報を頻回に確認し、透析施設に早めに振り替えの相談をする早めの判断が重要です。

・松山市 島しょ部航路運賃助成事業

透析施設への即時連絡

船や航空便の欠航が決定した、または予想される時点で、すみやかに透析施設へ連絡を入れ、指示を仰ぎましょう。

早期に島外への移動

欠航が確実視される場合は、透析が間に合わなくなる前に、予定を早めて島外の透析施設近くへ移動する判断も必要です。主治医に十分に相談して調整しましょう。

緊急時の透析先リスト

本土や近隣の他の島にある透析可能な施設を複数リストアップしておき、緊急時に受け入れてもらえるか、事前に連絡体制を整えておくことも大切です。

透析治療を受けられないときの備え

島内での交通が途絶した場合に備え、透析食に適した非常食(低カリウム、低リン)と、少なくとも5日分以上の透析関連の内服薬を常に備蓄しておく必要があります。

・一般社団法人日本透析医学会 危機管理委員会 透析をうけている患者さんへ ~ 災害に備えて

まとめ

離島で生活している透析患者さんにとって、島内に透析施設がない場合、島外まで通院しなければならず、移動が大きな課題となります。悪天候時などに交通手段が利用できなくなることも常に考慮し、早期の移動や振り替えの調整、代替透析先の確保など、事前の準備が重要です。ご自身の命を守るためにも、かかりつけの透析施設や居住地の自治体と連携を取り、自己判断で透析をスキップすることがないよう、備えを進めていきましょう。

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