透析中でも老健に入れる?受け入れ条件と施設選びのポイントを解説
「人工透析を受けている家族が、退院後に老健(介護老人保健施設)を利用することはできるのだろうか?」と思ったことはありませんか?
透析中の方でも老健に入所できる可能性はあります。ただし、一般的な入所者と比べると、通院透析への対応や医療機関との連携が必要になるため、受け入れ先が限られやすいのが現状です。
この記事では、透析患者の老健入所が難しいと言われる理由や、老健入所を相談しやすくするための条件、そして施設選びのポイントをわかりやすく解説します。
透析中でも老健に入れる?まず知っておきたい基本
老健(介護老人保健施設)は、要介護状態にある方が、居宅で日常生活を送れるよう支援する施設です。医師による医学的管理のもと、看護・介護・機能訓練・必要な医療・日常生活上の世話を提供し、在宅復帰や在宅療養支援を目指す役割を担っています。
厚生労働省の資料によると、老健入所者のうち透析を受けている方は0.4%と少数です。透析患者さんの老健入所について、以下の点を押さえておきましょう。
医療費・診療報酬の取り扱いが複雑になりやすい
老健では、入所中に必要な医療や薬の一部について、介護保険サービスの中で対応されます。そのため、外部の医療機関で検査や投薬、処置を受ける場合、医療保険で請求できるものと施設側で対応が必要になるものを事前に確認しなければなりません。
透析そのものは老健入所中でも医療保険で算定できる項目に含まれますが、外来透析とは診療報酬の扱いが異なる部分もあります。実際に、老健などで透析患者を受け入れる際の課題として、診療報酬の問題や医療機関との連携体制が挙げられています。
施設によっては透析患者さんの受け入れ判断が慎重に行われる場合があります。
通院透析に伴う送迎・体調管理の負担
血液透析は、一般的に週3回程度の通院が必要になる治療です。老健から外部の透析クリニックへ通う場合、送迎手段の確保だけでなく、通院前後の体調確認、食事や水分管理、服薬管理なども調整する必要があります。
また、透析後は血圧の変動や疲労感がみられることもあるため、帰所後の見守り体制も整っていることが欠かせません。施設側が送迎や透析前後の対応を担う場合、通常の介護業務に加えて人員や時間の調整が必要になります。
送迎体制や透析クリニックとの連携体制が整っているかどうかは、透析患者の受け入れにも影響します。
老健で透析患者を受け入れてもらうための条件
以下の3つの条件を事前に整理できると、透析中の方でも老健への入所を相談しやすくなるでしょう。
送迎の手段が確保されている
課題になりやすいのが、透析クリニックまでの送迎です。たとえば、以下のような送迎の手段が確保できていると相談しやすくなります。
- 透析クリニックの送迎サービスを利用できる
- 家族が週3回の送迎を担える
- 介護タクシーを自己負担で手配できる
老健と透析クリニックの間で連携が取れている
老健の入所者が外部の透析クリニックを受診する場合、薬剤の処方や費用の算定ルールが厳格に定められています。
請求上のトラブルを防ぎ、透析治療を継続するためにも、入所前に両者間で通院日、送迎方法、緊急時対応を含めた診療情報の共有方法を確認しておくことが大切です。
全身状態が安定している
老健は急性期治療を必要としない状態であり、入院治療の必要がない要介護1〜5の方が、在宅復帰を目指して看護・介護やリハビリテーションを受ける施設です。入院治療が必要な状態であると入所は難しくなります。
透析中の方が老健を探すときに確認したいポイント
透析を受けながら老健で過ごすには、施設の受け入れ実績や医療機関との連携体制を事前に確認することが大切です。
透析対応の病院やクリニック併設の老健を優先的に探す
同じ医療法人グループ内に透析対応の病院・クリニックがある老健は、情報共有や通院調整を相談しやすい場合があります。
透析日の昼食や食事管理に対応できるか
透析は半日以上かかることが多いため、通院日の昼食をどうするかも確認しておきたいポイントです。透析食に対応できるか、透析クリニックで食事が出るのか、老健がお弁当を用意できるのか、家族が持参する必要があるのかも確認しておきましょう。
緊急時の対応体制を確認する
透析中は急な体調変化が起こることもあります。夜間や休日の医療連携体制を確認しておきましょう。
・横山志郎. 高齢者対策:透析施設と介護老人保健施設の併設の課題と今後の展望. 日本透析医会雑誌. 2013;28(1):43-51.
まとめ
透析中の方でも老健に入所できる可能性はあります。ただし、老健入所中の外部受診には制度上のルールがあり、通院透析では送迎や医療機関との連携も必要になるため、事前の確認が欠かせません。まずは透析患者の受け入れ実績がある施設や、透析対応の病院・クリニックと連携している施設を中心に探し、送迎や透析クリニックとの連携、食事対応・緊急時対応などを確認することが大切です。
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