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2018年12月27日

透析開始の目安と知っておきたいこと

「腎臓が悪くなってきたから透析を考えましょう」と医師から説明されても、どういう基準で透析を考えるべきなのか知らない方も多いと思います。

透析開始の目安や基準はどのように決まっているのでしょうか。今回は、透析導入の基準や目安について点数方式で解説したいと思います。

また、透析を導入することになったとき、家族も含めて知っておきたいことをまとめました。透析導入の目安と知っておきたいことについて詳しく見ていきましょう。

     

人工透析が必要となる基準目安

透析とアルミニウムの関係

透析を導入する際には一定の基準があり、この基準を超えていると透析の導入を考慮する必要があります。症状や腎機能の状態を点数方式で算出し、一定の点数を超える場合に、透析導入が検討されます。

透析導入の基準となる症状

  • 体に水が溜まっている状態(むくみ、肺に水が溜まっている)
  • 電解質の異常(カリウムの値が高い、体のバランスが酸に傾いている)
  • 消化管の異常(嘔気、嘔吐、食欲不振)
  • 心臓の異常(心不全、息切れ、血圧上昇)
  • 神経の異常(意識状態の悪化、けいれん)
  • 血液の異常(貧血、出血が止まらない)
  • 目の異常(かすみなど)

以上のうち3つ以上当てはまれば30点、2つで20点、1つで10点

     

腎機能の目安

  • 持続的に血清Cr8mg/dl以上(あるいはクレアチニンクリアランス10ml/min以下)=30点
  • 血清Cr 5~8mg/dl(Ccr 10~20ml/min未満)=20点
  • 血清Cr 3~5mg/dl 未満(Ccr 20~30ml/min未満)=10点

日常生活の障害

  • 起床できない=30点
  • 活動に制限がかかる=20点
  • 運動、仕事ができない=10点

※65歳以上や糖尿病や動脈硬化疾患など全身性の疾患を持っている場合10点追加
上記の合計が60点以上になると透析導入を検討します。

     

血液透析と腹膜透析の開始目安時期の違い

透析脳症とアルミニウム

透析には大きく分けて「血液透析」と「腹膜透析」の2つがあります。透析を導入する場合、「血液透析」「腹膜透析」のどちらを導入するのかも微妙に異なってきます。

     

血液透析の導入が検討される場合

血液透析は、体内の血液を特殊なフィルターを使って濾過する方法です。血液透析専用の機械が必要なので、週3回程度、透析を行っている施設で4~6時間程度かけて行います。

血液透析のメリットは基本的に誰でも可能であるという点です。

     

腹膜透析の導入が検討される場合

腹膜透析は体内の腹腔内に濃い液体を入れ、浸透圧を利用して老廃物などを除去する方法です。液体は自分で交換することができるので、血液透析よりも時間的な制約が少ないです。

ただし、腹膜透析は10年程度が限界とされています。透析を行うことで腹膜が硬くなったり、感染しやすくなったりするためです。よって腹膜透析ができなくなった際には血液透析に移行するのが一般的です。

     

人工透析導入時に家族が知っておきたいこと

透析脳症とアルミニウム

ご家族の誰かが透析を導入することになった場合、以下3つのことを知っておくことが大切です。

1. 生活サイクルの変化

2. 食事の制限

3. 費用

それぞれについて詳しくみていきましょう。

     

透析について知っておきたいこと:生活サイクルの変化

透析を導入し始めたとき、生活サイクルの変化を感じることが少なくありません。

血液透析の場合、週3回6時間程度の時間を透析に使わなければなりません。腹膜透析の場合はもう少し時間の融通はききますが、自宅で毎日透析液の交換が必要となり、月1~2回透析クリニックへの通院などが必要になります。

一度透析を導入すると、それ以後透析を続ける必要があるので、いつ透析治療に通うのかを考えながら日々のスケジュールを組まなければいけません。

生活サイクルの中に透析治療が一定の割合で組み込まれることを覚えておきましょう。

     

透析について知っておきたいこと:食事の制限

透析を行う際には食事の制限がかかります。塩分やタンパク質などを摂りすぎると体に負荷がかかってしまうので、状態に応じて摂取量の制限がかかります。

また血液透析を行う際には体に水分が溜まりすぎているのはよくありませんので、水分摂取も制限されることがあります。

そのため、透析を導入する際には食事管理や摂取水分量を制限する必要があります。

     

透析について知っておきたいこと:費用

例えば血液透析を行う場合、透析にかかる費用は月50万円前後となります。

国民健康保険に加入している場合は3割負担の15万円となりますが、特定疾病療養受領という手続きを行うと月の負担額は1万円になります。そのため多くの患者様は特定疾病療養受領を申請しています。

透析治療による費用面の負担を引き下げるために、必ず特定疾病療養受領の手続きを行うようにしましょう。

     

まとめ

透析治療を導入すると、体や生活サイクルの負担だけでなく精神的な負担も伴います。ご家族が透析患者さんの症状や日々気をつけなければならないことを理解し、協力してあげることが透析患者さんの負担軽減につながります。

また、透析導入の基準となった数値なども含め、患者さんご本人やご家族が分からないことは透析クリニックにしっかりとご質問する習慣作りも大切です。

透析治療開始直後の変化を見逃さず、気になったことがあったら担当医にしっかり相談するようにしましょう。

     

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