1型糖尿病の原因はストレス?本当の発症メカニズムを解説
糖尿病と聞くと、食べ過ぎや運動不足、ストレスといった生活習慣が原因だというイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし、1型糖尿病はストレスや生活習慣とは異なるメカニズムで発症します。
1型糖尿病の患者数は令和5年(2023年)患者調査によると、12万2000人とされており、決して少なくはありません。子どもに多くみられますが、大人でも発症することがあります。この記事では、1型糖尿病の原因やストレスとの関係性についてわかりやすく解説します。
1型糖尿病の原因はストレスって本当?
2型糖尿病は食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢が要因となりますが、1型糖尿病は精神的ストレスそのものが原因となって発症する病気ではありません。
2型糖尿病と1型糖尿病は、ともに血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続く病気です。高血糖状態が続くと失明や腎不全、心臓病、足の切断などの重篤な合併症につながりやすくなります。
ただ、同じ糖尿病でもタイプが異なります。1型糖尿病はインスリンが分泌されずに高血糖となりますが、2型糖尿病は、インスリンの分泌が十分でなかったり、インスリンが効きづらかったりするのが原因です。
1型糖尿病が起こる本当の仕組み
1型糖尿病の原因は、多くは自己免疫によって起こると考えられています。本来、私たちの免疫は外から入ってきたウイルスや細菌を攻撃して体を守る役割を持っています。
しかし、1型糖尿病では、関連があるとされる何らかのきっかけで、自分の免疫が膵臓の膵β細胞を敵だと勘違いして攻撃し、破壊してしまうのです。膵臓の中にあるインスリンを作るβ細胞が徐々に壊されることで、体内でインスリンを作れなくなり、インスリンの分泌の絶対的不足によって高血糖が生じます。
自己免疫の仕組みがなぜ起こるのか、また突然免疫の暴走が始まるのか、その明確な理由ははっきりとわかっていません。関連すると考えられているのは糖尿病になりやすい体質(遺伝子)を持っていることや、ウイルス感染などの要因です。
ストレスは発症に関係する?しない?
1型糖尿病の発症にはストレスは本当に関係するのでしょうか。
精神的なストレスが直接の原因とされているわけではありません。しかし、発症の要因の一つとして考えられているウイルス感染は、体にとって大きな負担となり、強いストレス状態を伴います。
人は強い緊張や不安を感じると、体を守るためのホルモンが分泌されます。すると肝臓から糖が放出され、血糖値が上がります。健康な人であれば一時的に上がってもインスリンのはたらきで元に戻りますが、インスリンが絶対的に不足している状態では血糖の上昇を十分に抑えることはできません。
ストレスは1型糖尿病発症の直接的な原因ではありませんが、体にかかる負担が血糖値に影響する可能性はあるでしょう。
まとめ
1型糖尿病は、食生活や運動不足、精神的なストレスといった生活習慣が原因で起こる病気ではありません。多くの場合、自己免疫によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンを作れなくなることで発症します。
ただし、ストレスは体内でコルチゾールなどのホルモン分泌を引き起こし、血糖値を上昇させるはたらきがあります。そのため、発症の直接の原因ではなくても、血糖の変動に影響を与える要因にはなり得ます。
1型糖尿病は生活習慣病ではなく、誰にでも起こり得る自己免疫が関与する病気です。正しい理解を持ち、適切な治療につなげましょう。
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