透析患者はモビコールを使える?マグミットとの違いも解説
透析治療を受けている方では、便秘が慢性的に続くことも少なくありません。水分制限や食事内容、服用している薬剤などが影響し、排便が不安定になりやすいためです。慢性的な便秘に対して、モビコールという薬が使用されることがあります。この薬は透析患者でも使用できるのでしょうか。
本記事ではモビコールの特徴と透析患者における注意点、便秘治療薬の一つであるマグミットとの違いについて解説します。
モビコールとは?便秘治療に使われる理由
モビコールはマクロゴールを主成分とするポリエチレングリコール(PEG)製剤で、浸透圧性下剤の一つに分類されます。慢性便秘症に対して用いられ、腸内に水分を保持することで便をやわらかくして自然な排便を促します。
腸管からほとんど吸収されず、体内で代謝されにくい点が特徴です。刺激性下剤と異なり、腸を直接刺激しないため、腹痛が起こりにくく、長期的に使用しやすい薬とされています。
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 モビコール配合内用剤LD/モビコール配合内用剤HD 添付文書 2021年1月改訂(第1版)(2026.3.21閲覧)
透析患者がモビコールを使用するときの注意点
モビコールは体内への吸収がほとんどないため、腎機能が低下している透析患者でも比較的使用しやすい薬と考えられています。マグネシウム製剤のように体内に蓄積するリスクが少ない点が特徴です。
一方で注意したいのが、水分バランスです。モビコールは腸内に水分を引き込むことで効果を発揮するため、ある程度の水分摂取が前提となります。しかし透析患者では水分制限があるため、服用量や水分量については個人の状態に応じた調整が必要です。
また、電解質(ナトリウムやカリウム)を含む製剤であるため、頻回使用や過量投与では電解質バランスへの影響にも注意が必要とされています。
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 モビコール配合内用剤LD/モビコール配合内用剤HD 添付文書 2021年1月改訂(第1版)(2026.3.21閲覧)
モビコールとマグミットの違い
モビコールとマグミットはどちらも浸透圧性下剤ですが、作用機序や身体への影響に違いがあります。
マグミット(酸化マグネシウム)は、腸内で水分を引き込んで便をやわらかくする薬です。マグネシウムが一部吸収されるため、腎機能が低下している患者では体内に蓄積し、高マグネシウム血症のリスクがあります。
モビコールは腸管内にとどまり、水分を保持して便をやわらかくする薬で、体内への吸収がほとんどない点が特徴です。
マグミット(酸化マグネシウム)は小児や高齢者などにも広く使用されますが、腎機能低下時は注意が必要です。モビコールは吸収されにくい薬ですが、水分量の調整が必要です。透析患者では、マグミットによる高マグネシウム血症のリスクを避ける目的で、モビコールが選択されることもあります。ただし、いずれの薬剤も個人の状態に応じた使い分けが必要です。
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 酸化マグネシウム原末「マルイシ」添付文書 2024年1月改訂(第1版)(2026.3.21閲覧)
まとめ
透析患者は複数の要因から便秘を起こしやすく、便秘治療薬を用いる機会があります。モビコールは体内に吸収されにくく、比較的安全性の高い便秘治療薬とされていますが、水分管理や電解質バランスには注意が必要です。
モビコールはマグミットと比較すると、高マグネシウム血症のリスクが少ない点が特徴ですが、どちらの薬剤も自己判断での使用は避け、医師の指示のもとで使用することが重要です。
便秘は生活の質に大きく影響する症状です。無理に我慢せず、透析条件や食事内容も含めて医療機関で相談しながら対策を進めていくことが重要です。
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