透析患者は岩盤浴に入っても大丈夫?脱水や血圧低下など注意点を解説
岩盤浴は、温められた岩盤などの上に横になり、体を温めて発汗を促す温浴法です。一般的な浴槽のようにお湯につかるわけではありませんが、温かい環境で一定時間過ごすため、汗をかいて体内の水分が失われます。
「透析を受けているけれど、岩盤浴に入っても大丈夫?」「汗をかいた後は水分を多めにとったほうがよい?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
血液透析を受けている方は、透析で体内の余分な水分を取り除いており、日常生活でも水分や塩分の摂取量を調整している場合があります。岩盤浴では発汗によって水分が失われるほか、暑い環境によって血圧が低下する可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、透析患者が岩盤浴を利用する際に注意したい脱水や血圧低下、水分補給などについてわかりやすく解説します。
透析患者は岩盤浴に入っても大丈夫?
透析患者が岩盤浴を利用できるかどうかは、体調や普段の透析状況によって異なります。利用の可否や利用時間については、主治医への確認が必要です。
透析治療では、腎臓の代わりに体内の余分な水分を取り除くため、厳密な水分管理が欠かせません。岩盤浴で大量の汗をかくと急激な脱水状態になり、血圧低下や立ちくらみ、心臓への負担を招く恐れがあります。特に、普段の透析中や透析後に血圧が下がりやすい方は気を付けなければなりません。
岩盤浴の利用を希望する場合は、自己判断を避け、普段の除水量や血圧変動を把握している主治医に事前に相談しましょう。
岩盤浴で透析患者が注意したい脱水と血圧低下
岩盤浴のように室温や湿度が高い環境では、体温を調節するために皮膚への血流が増え、多量の汗をかきます。その結果、体内の水分が急速に失われ、脱水や急激な血圧低下を招きかねません。
脱水が起こる仕組みと注意点
汗をかいて体内の水分や塩分が失われ、その状態が続くと脱水につながります。脱水や体温上昇によって、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、だるさなどの症状が現れることがあります。岩盤浴を利用しているあいだも、このような体調の変化には注意が必要です。
ただし、透析患者の場合は、汗をかいたからといって自己判断で多量の水分をとることにも気を付けなければなりません。血液透析では、透析と透析の間に体内にたまった水分を次の透析で除去します。水分をとりすぎると次回の除水量が増えて心臓に負担がかかるため、発汗した場合の水分補給の量や方法は、主治医に確認しましょう。
血圧低下が起こる仕組みと注意点
暑い環境では、体の熱を逃がすために皮膚の血管が広がり、皮膚への血流が増えます。さらに、発汗によって体内の水分が減ると循環する血液量が減少し、血圧の低下やめまいなどにつながる場合があります。
血液透析では除水によって循環血液量が減少するため、透析中や透析後に血圧が下がりやすい方は、岩盤浴による体調の変化にも特に注意が必要です。
・社団法人 日本透析医学会「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」透析会誌 44(5):337〜425,2011
透析患者が岩盤浴を利用するときの注意点
岩盤浴を利用するときは、事前の確認や利用中の体調変化への対応も重要です。ここでは、透析患者が利用前後に気をつけたいポイントを紹介します。
利用する前に主治医へ相談する
岩盤浴を利用したい場合は、事前に主治医へ相談しましょう。透析中・透析後に血圧が下がりやすい方や、立ちくらみなどがある方では、より慎重な判断が必要です。また、透析当日の利用についても、透析後の血圧や体調には個人差があるため、自己判断で決めないようにしましょう。
水分補給の方法を事前に確認する
一般的な暑さ対策では水分補給が重要ですが、透析患者では水分摂取量を管理している場合があります。岩盤浴で汗をかいたからといって、水やスポーツドリンクなどを自己判断で多量に飲むのは避けましょう。
発汗した場合の水分補給については、普段の尿量や透析間の体重増加などを踏まえた判断が必要です。主治医や透析施設のスタッフに事前に確認しておきましょう。
体調に変化があれば利用を中止する
岩盤浴の利用中に、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、強いだるさなどが現れた場合は、無理に続けず、涼しい場所に移動して休みます。意識がもうろうとしている、自力で水分をとれないなどの症状がある場合は、周囲の人に助けを求め、速やかに救急車を呼ぶ必要があります。
また、利用中だけでなく、利用前の体調チェックも欠かせません。発熱や下痢、嘔吐などがあるときは、すでに体内の水分が失われている可能性があります。普段と体調が異なるときは、岩盤浴の利用を控えましょう。
まとめ
透析患者が岩盤浴を利用できるかどうかは、体調や透析の状況によって異なります。岩盤浴では発汗によって水分が失われるほか、暑い環境では皮膚への血流が増えるため、脱水や血圧低下に注意が必要です。
また、透析患者では水分摂取量を管理している場合があるため、汗をかいた後の水分補給についても自己判断は避けましょう。岩盤浴を利用したい場合は、主治医に相談し、自分の状態に応じた注意点を確認しておくことが大切です。
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