リンを下げる食べ物はある?透析患者が知っておきたい食品選びのポイント
血液検査でリンの値が高いと、「リンを下げる食べ物はないだろうか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、食べるだけで血中リン濃度を直接下げられる食品はありません。
透析患者さんのリンの管理では、リンの摂取量を抑えるとともに、透析やリン低下薬によって体内のリンを調整します。ただし、リンを気にして肉や魚などを減らしすぎると、たんぱく質やエネルギーの不足を招くおそれがあります。
リンが多い食品をすべて避けるのではなく、リンの吸収率やたんぱく質とのバランスを考えて選ぶことが大切です。この記事では、透析患者さんが控えたい食品と、リンを摂りすぎないためのポイントを解説します。
リンを下げる食べ物はある?血中リン濃度と食事の関係
特定の食品を食べるだけで、血中リン濃度を直接下げることはできません。しかし、リンの摂取量を抑えるよう食事内容を見直す方法があります。
腎機能が低下すると、余分なリンを尿から排出しにくくなります。透析だけでは摂取したリンをすべて除去できないため、食事・透析・薬による管理が必要です。
日本透析医学会の2025年改訂版ガイドラインでは、血液透析患者さんの血清リン値の管理目標は3.5mg/dL以上、5.5mg/dL未満とすることが提案されています。この目標値は、年齢や栄養状態などによって異なります。
また、透析患者さんの1日のリン摂取量は、次の式が目安です。
1日のリン摂取量=適正なたんぱく質摂取量(g)×15mg以下
リンを減らすためにたんぱく質まで過度に制限すると、低栄養につながる可能性があります。自己判断で食事量を減らさず、医師や管理栄養士に相談しましょう。
透析患者が控えたいリンの多い食べ物
リンは、乳製品や魚介類、卵黄、豆類、ナッツ類などに多く含まれます。なかでも注意したいのが、リンを含む食品添加物が使われた加工食品です。
たとえば、次のような食品です。
- 牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ
- 煮干し、しらす干しなど骨ごと食べる魚
- 卵黄
- 納豆、ナッツ類
- ハム、ソーセージ、魚肉ソーセージ
- インスタント食品や一部の清涼飲料水
おもな食品のリン含有量(可食部100gあたり)は次のとおりです。
| 食品 | リン量(可食部100g当たり) |
|---|---|
| 煮干し(かたくちいわし) | 1,500mg |
| プロセスチーズ | 730mg |
| 卵黄・生 | 540mg |
| アーモンド・いり・無塩 | 480mg |
| ひきわり納豆 | 250mg |
| 糸引き納豆 | 190mg |
| 普通牛乳 | 93mg |
| 卵白・生 | 11mg |
出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
食品に含まれるリンのすべてが吸収されるわけではありません。植物性食品に含まれるリンの吸収率は20~50%、動物性食品では40~60%とされています。一方、食品添加物に含まれる無機リンは吸収率が高いため、加工食品の摂りすぎに注意が必要です。
リンを摂りすぎないための食品選びと食べ方のポイント
リンの摂取を抑えながら必要な栄養を確保するには、食品の種類や原材料を確認することが大切です。特にリン酸、リン酸塩などの食品添加物に含まれる無機リンは、体内に吸収されやすいため注意しましょう。
- 加工肉より、添加物の少ない肉や魚を選ぶ
- 原材料名にリン酸、リン酸塩とある食品を控える
- 牛乳やチーズ、ヨーグルトを同じ日にとりすぎない
- 卵料理の一部を、リンの少ない卵白に置き換える
- リンに対してたんぱく質が多い食品を選ぶ
- リン低下薬は自己調整せず、指示された方法で服用する
血清リン値が高い状態が続く場合は、数日分の食事や間食、飲み物を記録しておくと原因を把握しやすくなります。たんぱく質を減らしすぎることはせず、医師や管理栄養士に相談しましょう。
まとめ
食べるだけでリンを下げる食べ物はありません。リンの多い食品やリンを含む食品添加物を控え、リンの吸収率やたんぱく質とのバランスを考えて食品を選ぶことがポイントです。
過度な制限は低栄養につながるため、検査値を確認しながら、自分に合った食品のとり方や摂取量を医師や管理栄養士と相談しましょう。
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