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2025年07月10日

透析中の「トイレ離脱」が不安なあなたへ

透析中は基本的にベッド上で過ごすことになるため、透析中に「トイレに行きたくなったらどうしよう」と不安を抱えている方は少なくありません。一方で、トイレを我慢することで不快感やストレスが増し、体調変化を招く可能性があります。極端な我慢は避け、早めにスタッフに相談してください。

この記事では、透析中のトイレ離脱がなぜ問題になるのかを解説し、事前にできる対策や透析施設に相談しておくべきポイントなどを詳しくご紹介します。

なぜ透析中のトイレ離脱が問題になるのか?

一般的な血液透析では4~5時間シャントに針を刺した状態で体外に血液を循環させるため、基本的にベッドから動くことができません。トイレに行く際には、血液回路の安全確保のためスタッフへ声をかける必要があります。施設によっては血液ポンプを一時的に調整または停止する場合もあります。

透析器で使うダイアライザー

透析の中断や血液回路の停止・返血操作などの操作が増えると、血栓やその他のトラブルの可能性が高まることも考えられます。施設によっては、ベッド上で尿器を使うところや、トイレ時の中断を“透析終了”扱いにしているところもありますが、透析時間・治療量を満たしているかどうか等を考慮して判断されます。

・地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター

トイレが近い人のための事前準備と対策

透析中のトイレ離脱を極力減らすためには次のような事前準備と対策が考えられます。

トイレ中の男子

  • 透析開始前にトイレを済ませておく
  • 透析前の飲食内容について主治医や栄養士に相談する
    (個人差がありますが、脂っこいものや冷たい飲み物が刺激となることもあります)
  • 緩下剤の量や服用のタイミングについて主治医に相談する
  • 腸炎や過敏性腸症候群など、排便に影響する場合は適切な治療を受ける
  • トイレの不安が強い場合は紙おむつやパッドの使用を相談する
  • 1日の排尿回数や尿意に困っている場合は主治医に相談し、適切な対策につなげる

心理的な不安も排尿に影響する場合があるため、心配や不安がある場合は主治医や施設スタッフに相談しましょう。

・公益社団法人 福岡県薬剤師会

透析施設に相談するべきポイント

排泄に関する不安を感じている場合は、遠慮せず主治医や透析施設のスタッフに相談することが大切です。透析中のトイレ離脱が可能かどうか、透析中のトイレ対応の方法は施設によって異なります。透析中の血圧変動や体調によっても対応が変わることもあります。

透析施設に相談すべきポイントを以下に挙げます。

  • 透析中にトイレに行けるか(トイレ離脱の可否やどのような対応になるのか)
  • トイレに行きたい場合の流れや注意点(どのタイミングでスタッフに声をかけるべきか、トイレ離脱時の対応)
  • パッドや紙おむつを使用したいときの施設の方針(持ち込み、購入など)
  • おなかの調子が悪いときに伝えておいたほうがよい内容や伝えるタイミング
  • など

トイレ

一般的な透析治療は週に3日以上、4~5時間程度受けることになります。トイレの不安を抱え続けると、通院そのものがつらくなってしまう場合もあるでしょう。小さな不安でも早めに相談することで、安心して治療に臨める環境づくりにつながります。

・公益社団法人 福岡県薬剤師会

まとめ

透析中は血液回路をつないだ状態にてベッド上で長時間過ごすため、トイレ離脱に不安を感じる方は少なくありません。トイレ離脱の不安を少なくするために、事前にトイレを済ませておく、食事の内容に気をつけるなどの対策が挙げられます。また、透析施設によってトイレ離脱時の対応は異なるため、気になることは事前に相談しておきましょう。トイレの不安は一人で抱え込まず、医療スタッフと共有しながら、安心して治療に臨める環境を整えていきましょう。

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