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2026年06月25日

透析患者でもペースメーカーは使える?治療の関係と注意点を解説

人工透析を受けている方の体は、電解質の変動や高血圧、動脈硬化の影響を受けやすく、心臓に大きな負担がかかっています。わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在)によると、慢性透析患者さんの死亡原因の19%は心不全です。脈が遅くなる徐脈性不整脈などを起こしやすく、ペースメーカー治療が必要になることは珍しくありません。

「透析をしているから手術が難しいのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、透析患者さんでもペースメーカーの使用は可能です。ただし、透析患者さん特有の合併症リスクや、シャント(バスキュラーアクセス)との兼ね合いなど、事前に知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。心臓と腎臓、双方の健康を守るための知識をお伝えします。

ペースメーカー

透析患者でもペースメーカーは使用できる?

透析患者さんはペースメーカーを使用できないわけではありません。 徐脈性不整脈などに対して、ペースメーカーを植え込む場合があります。

心臓と腎臓は密接に関連しており、一方が悪くなるともう一方にも悪影響を及ぼします。透析患者さんは、カリウムなどの電解質バランスの乱れや心筋の石灰化により、心臓を動かす電気信号の通り道に障害が出やすく、ペースメーカーは治療の選択肢の一つとなります。

・一般社団法人 日本透析医学会 血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン 透析会誌44(5):337-425,2011 

透析患者におけるペースメーカーの影響とリスク

透析患者さんがペースメーカーを使用する場合、以下のリスクに注意が必要です。

感染症のリスク

透析患者さんは免疫力が低下していることが多く、シャントからの細菌侵入などが原因で感染症を起こしやすい傾向にあります。ペースメーカーのリードに細菌が付着すると感染性心内膜炎という重篤な状態を招くリスクがあります。

静脈の狭窄・閉塞

従来のペースメーカーでは、鎖骨下の静脈にリードを通す構造です。透析患者さんはシャント作成や過去のカテーテル治療により、静脈が狭くなっていて、リードの挿入が困難な場合があります。また、リードを入れることで静脈が詰まり、シャントの静脈圧が上がって腕が腫れる静脈高血圧を引き起こすこともあります。

ペースメーカーの種類

従来のリードを通すタイプのペースメーカーのほか、 心臓の中にカプセル型の本体を直接留置するリードレスペースメーカーも普及しています。リードレスペースメーカーは、従来のペースメーカーのように胸を大きく切開する必要がありません。体への負担を低減でき、感染リスクを低減できるという特徴があります。

・一般社団法人 日本不整脈心電学会 心臓植え込み型電気デバイス(ペースメーカ、植え込み型除細動器)日常使用する携帯機器における注意事項(患者様用)

ペースメーカー使用中の透析患者が気をつけるべきこと

ペースメーカーを使用している透析患者さんは、心臓への負担を増やさないために、日々の体調管理を意識することが大切です。

体調管理

体重管理

透析間の体重増加が大きいと体内の水分量が増え、血圧や心臓に負担がかかりやすくなります。塩分や水分のとり方に気をつけ、体重の変化や息切れ、むくみなどを確認しておきましょう。

感染兆候

ペースメーカーを植え込んでいる部分に、赤み・腫れ・痛み・熱感がある場合や、発熱が続く場合は感染のサインの可能性があります。透析患者さんは感染リスクに注意が必要とされているため、体の変化を見逃さないことが大切です。

電子機器

家庭内の電気機器や磁気を発生するものに注意が必要です。 IH調理器、IH炊飯器、電動工具などは、ペースメーカーの植え込み部位に近づけないようにしましょう。

また、低周波治療器、電気風呂、EMS、体脂肪計など、体に電気を流す機器は使用を避け、磁石を使った製品や磁気治療器も植え込み部位の近くに置かないことが大切です。

・一般社団法人 日本不整脈心電学会 心臓植え込み型電気デバイス(ペースメーカ、植え込み型除細動器)日常使用する携帯機器における注意事項(患者様用)

まとめ

透析患者さんは心不全を抱えている方も少なくありません。腎臓と心臓は互いに影響し合います。ペースメーカーは心臓を守るための選択肢の一つとなりますが、感染症や静脈の狭窄・閉塞のリスクがあります。

ペースメーカーを使用している場合は体重管理を心がけ、心臓への負担を少なくするとともに、感染症の兆候がないか確認し、電子機器や磁気を発生するものを植え込み部位に近づけないよう気をつけることが大切です。

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