透析中に寝てはいけないの?眠くなる理由と寝るときの注意点
医療機関で血液透析を受けていると、治療中に眠気を感じることがあります。血液透析は、血液中の余分な水分や老廃物を取り除く治療であり、1回の治療に数時間かかることが一般的です。長時間ベッド上で過ごすため、「少し休みたい」と感じる方もいるでしょう。しかし、「透析中に寝ても大丈夫なのだろうか」と不安になる方もいるかもしれません。
この記事では、透析中に眠くなる理由や、寝ている間に注意したいリスク、医療スタッフへ相談した方がよいサインについて解説します。
透析中に寝ても大丈夫?まず知っておきたい基本
透析中に寝てはいけないわけではありません。長時間同じ姿勢で過ごすことや、治療中の疲労感、前日の睡眠状態などによって眠気を感じることもあるでしょう。医療スタッフの管理下で休むこと自体は珍しくありません。
ただし、完全に熟睡してしまうと、体調の変化やスタッフからの声かけに反応しにくくなることがあります。特に透析中は、除水による血圧低下や気分不快が起こる場合があるため、眠気が強いときやいつもと違うだるさがあるときは、眠る前にスタッフへ伝えておくことが大切です。
また、透析中は腕に針が入っており、血液回路も接続されています。眠っている間に無意識に腕を動かしたり、体の向きを変えたりすると、穿刺部や回路に負担がかかってしまう可能性があることも注意したい点です。
透析中に眠くなる主な理由
透析中に眠くなる理由は一つではありません。血圧の変化、透析による疲労感、睡眠不足、服用している薬の影響などが重なることもあります。眠気が毎回強い場合や、眠気と一緒に気分不快・冷や汗・吐き気などがある場合は、単なる眠気と考えず、医療スタッフへ相談しましょう。
血圧の低下
血液透析では除水によって体内の水分量が変化すると、血圧低下や生あくび(何度もあくびが出る状態)、吐き気、頭痛、動悸、冷や汗、めまい、だるさなどがみられることがあります。眠気のように感じていても、実際には血圧低下による体調変化の一部である場合があります。特に、生あくびが続く、冷や汗が出る、気分が悪い、胸がドキドキするなどの症状があるときは早めにスタッフへ伝えることが大切です。
透析による疲労感
透析中から治療後にかけて、体が重い、だるい、横になりたいなどの疲労感から眠気がみられることがあります。毎回我慢できないほど眠くなる、透析後も強いだるさが長く続く、頭痛や吐き気を伴うといった場合は医師や看護師へ相談しましょう。
前夜の睡眠不足や睡眠障害
透析患者さんでは、不眠や夜間覚醒、日中の眠気など、睡眠に関する悩みがみられることがあります。前日の睡眠時間が短いと、透析中に眠気が強くなることもあるでしょう。夜更かしが続くと、透析中に強い眠気が出たり、深く眠り込んでしまったりすることがあります。透析前日はできるだけ普段どおりの睡眠リズムを保つことも大切です。
薬の影響
かゆみを抑える薬、睡眠薬、抗不安薬、血圧を下げる薬などを使用している場合、眠気やふらつきが出ることがあります。薬の影響は人によって異なるため、透析中の眠気が強いと感じる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
透析中に寝るときに注意したい体調変化と相談の目安
以下の点に注意しましょう。
体調の変化を感じる
透析中に眠くなったときは、まず体調に違和感がないか確認しましょう。冷や汗、吐き気、めまい、生あくび、動悸などがある場合は、眠る前にスタッフへ伝えることが大切です。
腕を動かさないようにする
眠る場合は、穿刺している腕を動かしすぎないように注意します。腕の位置がつらい、体の向きを変えたい、毛布をかけ直したいなどのときは、無理に動かずスタッフへ声をかけましょう。
睡眠不足や睡眠の質の低下がある
強い眠気が続く場合は、前日の睡眠不足だけでなく、血圧低下、疲労、薬の影響、睡眠障害などが関係していることもあります。毎回同じように眠くなる場合は、透析中の様子をスタッフに伝え、必要に応じて医師へ相談しましょう。
・鶴田良成, 堀内勝弘, 渡邊有三, 鈴木正司, 山﨑親雄.血液透析中の静脈側抜針事故の実験的検証. 日本透析医会雑誌. 2007;22(2別冊):49-54.
まとめ
透析中に寝てはいけないという決まりがあるわけではありません。長時間の治療中に眠気を感じる方は少なくありません。ただし、熟睡してしまうと、血圧低下による体調変化や、穿刺部・血液回路のトラブルに気づきにくくなることがあります。生あくび、冷や汗、吐き気、めまい、動悸などの症状があるときは、眠る前にスタッフへ伝えましょう。
透析中の眠気が強い、眠ったあとに体調が悪くなる、日常生活にも眠気が出ている場合は、医師や看護師へ相談することが大切です。透析中は無理に我慢せず、体調の変化を早めに伝えながら治療を受けましょう。
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